世界最大の火遊び!バレンシアの火祭り~前編~

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小さい頃、よく「危ないから火遊びしちゃだめよ」と言われましたよね。日本では庭先で線香花火を楽しんだり、小さな花火でわいわい盛り上がったりするのが火遊び。打ち上げ花火なんていうのは、ほとんどの場所で禁止されていますよね。スペインだってそれは同じですが、この祭りの期間だけは違います。

スペイン三大祭りにして、世界最大の火遊び祭りとも言われるのが、バレンシの火祭り(Fallas、ファジャス)です。毎年3月15~20日頃に開催されて、この期間中は街に爆竹の轟音が鳴り響き、炎に街が呑みこまれそうになります。マドリードからバスで4時間、そんな祭りに行ってきました。

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バレンシアは、マドリード、バルセロナに次ぐスペイン第三の都市で、地中海に面しています。バレンシア語の話される地域で、ローマやイスラームなどの文化が入り混じっています。そうした古くからの遺産がある一方で、現代芸術の最先端にいるといってもいい街です。街の中心からほど近く、SF映画のような奇抜な巨大建築群が目に入ります。これは「芸術科学都市」と名付けられた複合文化施設。劇場や博物館、プラネタリウムに水族館までもがこの一か所に集められていて、一週間は飽きることなく過ごせそうです。

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古い市街は南スペインらしい陽気な雰囲気。

 

巨大人形を巡る

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祭りの期間中は、街のいたるところにファジャ(Falla)と呼ばれる人形作品が置かれます。これは街ごとに住人が数か月かけてつくったもので、テーマや大きさはさまざま。どれひとつとして同じものはありません。そのクオリティは永久保存したくなるほどのもの。でも、祭りの最終日にはこれを燃やしてしまいます。そう、これが火祭りいちばんの見どころなんです。

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作品はどれも個性的。テーマパークのような、ポップでかわいい平和な雰囲気です。ファジャの数はあまりに多くて、すべて見て回るのは大変です。でも、自分のお気に入りを探しに街を歩き回るのはおもしろいかもしれません。

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ファジャは進化し続けます。前の年に話題になった人物やキャラクターをユーモラスに取り入れたファジャも少なくありません。ファジャで政治を皮肉るのもアリ。祭りの期間中には人気投票が行われます。おもしろくないファジャは人気が集まらないのです。

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ヨーロッパは性にオープンだといいますが、こういうのもスペインでは「セーフ」なんだそうです。しかも地域のお祭りで、みんなが協力してつくった作品だから、なお驚きです。きっと日本だと町内会で「けしからん」などと猛反対を食らうでしょうが、そもそもこういう発想すらないでしょうね。

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このストーリーを理解するには、あと20年はかかりそうです。

 

献花パレード

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火祭りには、ファジャ以外にも見どころがあります。それが祭り最終日の前日・前々日に行われる献花パレード。このパレードは、大聖堂前にある巨大な聖母に花を捧げるというもの。民族衣装に身を包んだ何千人という地元の人が花束を持って歩きます。次から次へとスペイン美女や可愛い子供たちが目の前を通り過ぎていくこのパレード。僕のなかではこれがメインイベントです。

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それにしても、本当にきれいです。

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こうして大勢の人々によって捧げられた花束がマリア像を飾ります。そう、この白や赤はすべてお花。この祭りでつかわれる花の両は20トンにもなるといいます。

 

お祭りムード

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祭りといえば屋台ですよね。屋台といえば美味しい食べ物ですよね。この祭りでも街のあちこちに屋台があって、甘いチュロスの匂いや、香ばしいソーセージの匂いが漂います。

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それから、ここはスペインです。朝であろうと、昼であろうと、とにかく酒、酒、酒。お昼前から早くも泥酔した人があちこちにいます。でも、スペインにいてお酒を飲まずにはいられないのです。食べ物があまりにお酒と相性がいいので、お酒無しなんて考えられません。日本でいうジュースの屋台が、こちらのモヒートの屋台なのかもしれません。

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祭りは屋台だけではありません。街の中心は歩行者天国。ファジャの周りには地元の人たちがいて、朝から晩までフィエスタ(パーティー)をしています。巨大な鍋をいくつも並べてパエージャを作っていたり、鶏を焼いていたり。見ているだけでお腹がぐぅ~と鳴ります。

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こんな青春したかった。まだ間に合うかな(もう遅い)。

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この火祭りは春の訪れを告げる祭りで、同時に闘牛シーズンが始まります。闘牛といえばスペインを代表する文化ですが、時代は変わって「闘牛なんか文化じゃない」と反対する声が多くなってきています。牛と闘うというと聞こえはいいですが、やっているのは牛を殺すこと。この日も闘牛場の前で反対デモが行われていました。

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街は人だらけ。それだけに治安も心配になります。そんな時は騎馬警官の登場です。馬に乗って視点を高くすることで、広い範囲を警戒します。それにしてもかっこいい。

 

火遊び

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祭りのあいだ、街中で絶え間なく爆発音が響きます。まるで戦争です。普段もはじけているスペインの子供たちですが、この日のはじけ具合はハンパじゃありません。子供たちは専用の爆竹ボックスとマッチを持っていて、爆竹攻撃を仕掛けてきます。

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小さい子は日本の駄菓子屋に売っていたような可愛い爆竹で満足するのですが、年を重ねるにつれてエスカレート。しまいには30メートル先で爆発しても鼓膜が破れそうなほどの爆音を仕掛けてくる子供もいます。これが爆発すると、しばらく耳がおかしくなります。運が悪いと自分の足元に花火や爆竹が飛んできます。恐怖です。目の前で爆竹が鳴った時には「これが戦争だったらこうやって死ぬのか」と思って、なんだか切ない気持ちになりました。あっけないですね。

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こうして爆竹が鳴り響いているのですが、毎日午後2時になると爆竹パーティーが始まります。市庁舎前で爆竹ショーが行われるのですが、巨大な爆発音とともに建物が揺れます。空はあっというまに暗くなって、広場から200メートル離れたところでもご覧の通り。

とんでもない祭りです。続く。[:]

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